ゆとりニートの内定式の思い出②
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ホテルで相部屋となったB君と一緒にいれば、懇親会のダメージが少なくて済むのではないか。そう考えた私は、”ごく自然に”B君と一緒に部屋を出て、一緒に懇親会会場へ向かおうとしました。
しかし、ここで一つの落とし穴が待っていました。
エレベーター
内定者100人程が一斉にエレベーターを使い20数階の部屋から2階の懇親会会場へ移動しようとするので、どう考えてもエレベーターの運搬能力を越えてました。更に、内定者は複数階にまたがり泊まっており、当然下へ向かうエレベーターは上の階の人から乗り込むので私のいる階ではほとんど乗り込むことができませんでした。このままエレベーターを待っていては明らかに懇親会開始時間に間に合いそうにありません。無理やりエレベーターに乗り込んでいく人や、とっさに階段を使い出す人達も現れます。
この時私は
①内定者全員を待って懇親会が始まるケース
②内定者が揃ってなくても時間通りに始めるケース
の2つについて、思いを馳せてました。
①の場合、
・あまりにも遅く到着するグループになると、やっとあいつら来たぜ待たせやがってみたいなことになりそう。
・しかし、早く行っても懇親会が始まるまであまりにも手持ちぶたさになりそれはそれでつらい。
②の場合、
・遅く到着すればするほど懇親会会場にいる時間が短くなりよい。
・早く行くメリットなし。
…よし、やや遅れ気味だが最後尾にならなそうなところでエレベーターに乗り込もう。そう決意しました。
温和なB君も特段急いておらず「多少時間に遅れてもいいか」という感じで、2人で空いたエレベーターが来るのを並んで待ちました。
待つこと10数分後、なんとか私達が乗れそうなスペースが空いたエレベーターがやってきました。
『よし、このタイミングだ。』
チョップお辞儀を駆使しつつ乗り込みます。
『やっと乗れた、後はテキトーにB君に寄生して懇親会を乗り切るだけだ。』
微かな安堵とともに、私はエレベーターの扉側を振り返りました。
そこには、何故かエレベーターの外にいるB君の姿がありました。
……。 えっ???
温和なB君は、全く別の人にエレベーター乗車権を譲り、自分はそのまま上の階に残るという選択をしていたのです。
結局、私は知らない同期に囲まれながら、心細いまま1人懇親会会場に向かうことになったのです…。
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