ゆとりニートの内定式の思い出④
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私が飯を取りにいって帰ってきたら何故かテーブルに1人でいたG君。
話を聞いてみると東北地方の大学生(理系)ということでした。彼からは若干自分と同じ匂いがするというか、はっきりいって自分からは全然喋らない大人しい子でした。
この後、私とG君はノリノリな先輩社員に質問攻めにされたり、
「お前らもっと喋れよ〜」「ハハハ」
みたいな心暖まるやりとりを続けました。
私は
「あぁ、これが世に言う社会か。私が就活で獲得した入場券はここに続いていたのだなぁ、趣深いなぁ」
としみじみ感じ入ってました。
私が先輩社員とのキャッチボールを精一杯の笑顔で
「そうっすねぇ〜。これから頑張ります〜。」
などと返球していると、唐突にノリノリ先輩が
「うちの会社結構お客さんと飲み会多い部署もあるけど、君大丈夫?(意訳)」
とG君に問いかけました。
私は心の中で勝手に同情しました。
『分かるよG君、君もこういうのが苦手なんだろう。大丈夫なわけないよな。
でも君は真面目そうだから少し濁しつつ言うんだろう。「大丈夫だと思います。」と。』
しかしG君の口からは私の予想と大きくかけ離れた言葉が発せられました。
「はい、全然大丈夫です。自分、大学で◯◯部に入ってて体育会系ですから。」
ぜんぜん大丈夫です。体育会系ですから。体育会系ですから。体育会系ですから。
私は再び情報の処理が間に合わず少しの間フリーズしました。
そうか。体育会系なら大丈夫だな。G君、君は立派な社会人だ。
G君の部活の話でノリノリ先輩が一瞬盛り上がった後、ノリノリ先輩は他のテーブルへと消えて行きました。
相変わらずG君と私は全然喋りませんでしたが、傍から見ればどう見ても懇親会で仲良くなって談笑している2人にしか見えなかったはずです。よし、これはこれでラッキー、悪目立ちしないぞと、私はちびちび酒を飲み始めました。せめて食事と酒はちゃんと楽しまないと勿体ないですからね。
そんな折、突然後ろのほうから声が上がります。
「ではみなさん盛り上がってきたところで〜」
「新入社員全員に1人づつマイクの前で自己紹介をしてもらいまーす!!!」
…。
…‥‥‥。
…‥‥‥‥‥‥…。
ここは地獄横丁の何丁目だ〜???
私はまたまた頭を抱えたくなりました。
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