新潟駅前の踏み潰された銀杏と、臭いの原因と取り方と……
長い前置き
秋だ。
新潟駅前通りに降り立てば、立派なイチョウ並木がお出迎えしてくれる。
秋で黄色くなったイチョウはとても綺麗だ。
だが、ふと歩道の上に視線を落とすと、銀杏の実がそこかしこに落ちている。
それも、通行人に踏みまれ無残に潰されているものが多く、ぺったんこになった銀杏のカーペットが出来てしまっている。
……臭い。銀杏の独特な刺激臭が鼻を突く。
銀杏は、茶碗蒸しの中にこそあるべきものであって、決して靴の裏にこびりつくためのものではない。
銀杏は、炒って日本酒のツマミになるべきものであって、決してその臭いを男子中学生のシモトークのダシにされるためのものではない。
駅前という人通りの多い場所に植える樹にイチョウが選ばれたのは何故なのだろうか。
先日こんなことがあった。
私は金沢観光から新潟駅へバスで戻っていた。時刻は夜の10時を回っていた。
数時間バスで揺られいたこともあり、私はぼーっとしながらバスの席を立った。
運転手さんの「ありがとうございました」という礼に会釈で返しながら、私は新潟の地を踏みしめようとした。
『ぶりゅりぃ…』
大方の予想通り、私は暗くて全く気づかない&油断しきったまま、新潟の地より先に銀杏を踏みしめていた。
その直後に乗った電車内で、悪臭が漂い気まずい思いをしたのは言うまでもない。
駅前という人通りの多い場所に植える樹にイチョウが選ばれたのは何故なのだろうか。
軽く調べてみると、どうやら黄葉時の見た目が綺麗ということと、枝葉を整えるために切られても平気なため選ばれるらしい。
日本の街路樹の樹種としては最多の、約57万本が全国各地に植えられているらしい。
更にもう少し調べてみると、雄のイチョウ株のみを植えて銀杏の実がならないようにしている並木もあるとのこと。
それだよ!それでしょ!何故そうしなかった新潟。
ついでに仙台の母校の裏の歩道も銀杏まみれで臭かったよ!頼むよ。
電車から家についた後、銀杏を踏んだ靴は捨てる予定の歯ブラシでゴシゴシ洗ったんだけど、その後もしばらくはうっすらと臭いが残った。
今回文字に興すにあたり、せっかくなので銀杏の臭いの取り方など調べてみた。
銀杏の臭い成分
臭いのもとは銀杏に含まれる酪酸とヘプタン酸なる成分らしい。
酪酸が含まれる他の食べ物は、バターやチーズといった発酵食品だ。
一方のヘプタン酸は、足の臭いの原因物質とのこと。
銀杏を踏むというのは、「バターやチーズを踏んだ足の臭いをさらに靴の裏につける」という、手間隙かかった事象だったようだ。
発酵臭×足の裏=臭いに決まってる。
銀杏の臭いの取り方
で、肝心の銀杏の臭いの取り方を調べてみると、銀杏をかばんに入れたケースということなのか、あくまでかばん限定?の洗い方として
重曹をぶっかける(3h放置)→水につける(3h放置)
というものが見つかった。
化学は完全に門外漢なので分からないが、
酸性の酪酸・ヘプタン酸を重曹(炭酸水素ナトリウム)で中和してる感じだろうか。
かばんのコーティングが劣化してという一節があったので、
また違う話なのかもしれない。
ヘプタン酸はエタノールなどの有機溶剤に溶けるみたいなので、アルコールで洗うのも有効だったりするのかも。全く責任は持てないけど。
ちなみに酪酸は、シー・シェパードが悪臭弾として使ってたみたい。
量によっては人体に悪影響を及ぼすので、注意が必要。
あと、美味いからといって銀杏の食い過ぎにも注意が必要。(小児7粒、成人40粒以上を目安に中毒になるので)