ゆとりニートの日記

理系院卒⇛就職⇛1年で退社。ノースキルでノージョブなゆとり世代ニートの日記。

無料開放された蕗谷虹児記念館で大正ロマンと少女文化を感じてきた

毎年10月に新潟県新発田市というところで「花嫁人形」合唱コンクールなるものが開かれる。

これは、新発田市出身の画家・蕗谷虹児(ふきや こうじ)が作詩した「花嫁人形」を課題曲とした合唱コンクールだ。

そしてコンクールの日は、年にいちど蕗谷虹児の作品が展示されている「蕗谷虹児記念館」が無料開放される日でもある。

 

今日(15年10月11日)はまさしくその無料開放日で、氏の作品を観てきた。ちなみに普段は一般入場500円。

 f:id:Norakura:20151011212241j:plain

今は調度パリ凱旋展が開催中。パリで行われた展示が再現されているとのこと。

 

簡単に蕗谷虹児について説明すると、大正から昭和初期にかけて活躍した画家で、当時『少女画報』『令女界』『少女倶楽部』などの雑誌の表紙絵や挿絵で人気を博した。

前述したように詩画集『花嫁人形』の詩は後に曲がつき童謡にもなった。

また、作品『花嫁』は日本郵便のふるさと切手で人気No.1も獲得した。

f:id:Norakura:20151011215959j:plain 出典:平成9年ふるさと切手「花嫁」

 

記念館には、この『花嫁』の他にもパリのコンクール サロン・ドートンヌ入賞作の『混血児とそとの父母』や雑誌・童話の挿絵などが展示されていた。

作品は、ハイカラで、優美で、和洋折衷の始まりを感じられて…。まさしく”大正浪漫”、モダンな雰囲気を感じられた。

なかには、今見ても全く古臭さを感じさせないクールな絵もあった。

 

展示会では蕗谷虹児の生い立ちも紹介されており、なかでも母親との関係が印象的だった。虹児の母は15歳で虹児を産み、虹児が12歳の時に死去していること。つまり27歳の若さで亡くなっている。虹児が描く女性には、いつまでも若く美しい病弱な母親が投影されているそうだ。

言われてみると、氏の描く少女の中に”時代遅れなまでの気品”とどこか移ろいやすい可憐さを感じるのは、そこからきてるのかもしれないな、と思った。

若いながらも背筋の伸びた女性の画を見ていると、なんだか自分の背中を叩かれる思いがした。

 

あと、幼少時に祖父母の家で読んだ童話の挿絵が蕗谷虹児のものだったことに、この展示会で初めて気づいた。入場料500円以上の価値はある。この展示を無料で見れたことに感謝。

来年以降も行こうかな。