ゆとりニートの内定式の思い出⑤
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そんなこんなで新入社員がひとりずつ前に出る強制自己紹介タイムが始まりました。
気づくと同じテーブルにはノリノリ先輩と別の年配社員さんが来ていました。
時既に遅し。どこにも逃れられない状況は完成していました。
「◯◯のモノマネしまーす!」
「ぎゃははー」「すべってるぞー」
「特技は女の子を落とすことで〜す」
「うぇいうぇいー」
楽しげな充実勢の自己紹介が進み、どんどん自分の番が近づいてきます。
経験上こういう場所でウケ狙うと変な空気になるので、頭の中で必死に無難そうな自己紹介を復唱し、いざ望みます。
私「………(略)」
この時、壇上で同期と先輩社員の顔を見た時既に決意していたのかもしれません。
うん。もう辞めたい。会社勤め辞める、と。
えっ、そんなことで?と呆れる人も多いと思いますが、私にとってはこういう場に出る機会がそこそこあるというのは無理なものは無理、ならぬものはならぬのです。
あれから2年、当時の予想通り会社を辞めてニートになってます。
酒は飲みたい時にしか飲まないし、基本的には会いたくない人とは会わなくてもよい生活です。勿論飲み会の幹事に頭を悩ませる必要はないし、下らない余興を考える必要もありません。
現在、「やりたくないことをやらない」を手にいれかけているのです。
ちなみにですが、懇親会は自己紹介の後、トイレに行くふりをしてそのままひとりで自分の部屋に戻りスマホの温もりを感じながら夜を過ごしました。
温和そうなルームメイトB君はなかなか部屋に戻ってこなかったので、懇親会後にお仲間と街に飲みに繰り出したことでしょう。
翌日人事との面談で
「昨日の懇親会はどうだったー?仲良くなった同期とあれから飲みに出たかー?」
と聞かれた時の私の顔は、恐らく皆さんの予想通りの表情だったと思います。
ゆとりニートの内定式の思い出
おわり